« 脳みそにばんそうこう | トップページ | 高貴、とかいっても庶民ですからね、所詮 »

2013年1月13日 (日)

半熟より固ゆでであれ

052

Type 303 Armsuit(bLACK ver.) : WAVE
規格は1/24だがWAVEタチコマと並べると小さく感じる。
硝煙弾雨ごっこするならWAVEタチコマとパーフェクトピースアームスーツがサイズ的にはいいと思う。

******



早速本日の攻殻台詞いきます。
これ、ちょっと気になっていたんですよね。






未成熟な人間の特徴は理想の為に高貴な死を選ぼうとする点にある。それに反して成熟した人間の特徴は理想の為に卑小な生を選ぼうとする点にある。





#23疑獄SCANDALより素子さんの台詞です。






発言環境;
義体医師に扮したマトリの残党、サノーの罠にはまった素子は寝台に固定され身体の自由を奪われていた。脳郭に次々に針が打たれじわじわと死が近寄る中、素子の電脳にアクセスする何者かがいた。笑い男、と呼ばれたその人物は素子に助けを求めに来たとのだという。立場が違うだろう、と呆れる素子に笑い男=アオイは正義を成す手助けが欲しいと懇願する。予想通りの青臭い少年だったと揶揄する素子がアオイに放った言葉。




この台詞は劇中でも語られたとおりウィルヘルム・シュテーケルという精神分析学者が語ったものです。
『ライ麦畑でつかまえて』にも引用されており、#23での台詞はそこから引っ張ってきたのだと思います。
今回がぶさんは紙媒体で彼の存在を示すものは確認していません。
ライ麦~における『秘密の金魚』のように、実在しないものもあたかも存在したかのように読み手が勝手に捉えてしまうことがありますので鵜呑みにしないために一応確認しときたかったのですが売ってないのですよね。
Amazonで確認すれば一応著作があるようなので実在の人物としてもいいと思います。
さて、件の台詞ですが。
シュテーケルの意図は不明なのでがぶさんの犬目線で語ると以下のとおり。





「若い奴ってのは自分の世界を崇高な美意識で固めてるからすぐ、『命なんか惜しくない』って言うんだよな。おっさんになるとさ、泥舐めてでも生き延びないと何も変えられないって思うんだよね。若いもんにはそれが『みっともない』って映るんだろうけどさ」





という感じ。
繰り返しますがシュテーケルさんの意見じゃないですよ、犬の意見です。




ここでは魂の成熟度による理想に対する対応の違いを語っています。
「死を以って○○」
とかいうのは未熟
「泥すすっても生き延びろ!そしていつか○○」
というのが成熟
というわけです。




この両者にはあくまでも『理想』があり、それを持たないものの魂については言及していないことには言及しておかないといけないと思います。
『生き延びたほうが勝ちっしょ!』ということでありません。
『どんな姿になろうとも生きて自分の成すべきことをしよう、それが死よりも辛くても』という意味だと思います。



少年期の潔癖な正義感、憤りが理想に殉じた高貴な死を希望する一方、汚名を着せられ手足を奪われても生き延びて理想を成すための名もなき礎となる覚悟の大人がいる。
未熟と成熟と言われるゆえんはそんなところにあるのかと思います。
成熟の道は修羅の道ですね。







使用例:
これは日常生活では使えないでしょう。
「万死に値する」とかいう人に向かって「未成熟な人間の特徴は~」とか語ってみてごらんなさいな。
「どの口が言ってやがる、この蛇口が!」と非難轟々、間違いなしです。
成熟な魂の道は修羅の道です。死よりも辛い地獄の一丁目を歩く人にしか許されない言葉です。そんなところ歩いている人はいちいち未成熟な魂に説教したりしないでしょう。
めんどくさいから。




蛇足

『ライ麦畑でつかまえて』での引用のされ方が非常に興味深い。
この台詞はシュテーゲルの言葉通りであれば上記でいいのだが、サリンジャーの捉え方からみると未成熟な魂が選ぶ死は他人からみればあまり高貴とはいえない模様。
これについてはまた後日。

|

« 脳みそにばんそうこう | トップページ | 高貴、とかいっても庶民ですからね、所詮 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 半熟より固ゆでであれ:

« 脳みそにばんそうこう | トップページ | 高貴、とかいっても庶民ですからね、所詮 »